読書録 「水源をめざして」 遠山 啓を読む読書録「水源をめざして」遠山 啓を読む3

2011年12月04日

読書録 「水源をめざして」遠山 啓を読む2

数学者 遠山 啓さんの著書


心の安全装置

「少し大きな機械にはたいてい安全装置が
ついている。
たとえば、電気器具についているヒューズ
などは、電気が異常な流れかたをしたとき、
その被害を一局部でくいとめて
器具全体に波及させないための安全装置
である。

また、昔の軍艦は、船倉が小さな部屋に
しきられていて、魚雷などで1つの部屋が
浸水しても、船全体が浸水しないように
なっていた。そうでなかったら、一発の
魚雷で、みな沈没してしまっただろう。
だから、船倉を小部屋にわけておくのも
一種の安全装置だといえる。

同じことが人間についてもいえそうな
気がする。人間はいつ、予想もしなかった
事件にであうかわからない。そのとき、
心も衝撃を受けるが、その衝撃が
人間全体に普及しないための安全
装置のようなものが必要になってくる。

近頃、子どもの自殺が、増加していて、
小学生の自殺さえまれでなくなってきた。
事件のあとでおとなたちのいうことは
いつもきまっている。

『あんなマジメな子が、どうしてそんなことを
したのかわからない』

わたしにいわせると、マジメだからこそ
自殺したのである。

受験に失敗したという衝撃を受けたとき、
その衝撃を一局部でくいとめて、心全体に
およぼさないための安全装置が
その子の心になかったのである。

マジメということは、ものを判断するものさしが
一本しかないということで、入学試験の合否が
人生のすべてだと思いこんでしまったので
ある。だから、安全装置のない機械のように
だったいちどの衝撃で機械がこわれてしまう
のである。」

dragonfruit123 at 08:01│Comments(0)TrackBack(0) 読書録 

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