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2011年11月27日

読書録 「悪夢のサイクル」内橋 克人を読む4

読書後の備忘録。

地方財政について

「地方債といっても、国がマクロ的な視点から計画し
発行をしてきた。・・・

バブル崩壊以降、地方債の残高が急伸していったのは
国の意思であった。
これほどの地方債を発行して返還できないのでは
ないかという予想は働かなかったのか。
当然そうした危惧は働いていた。しかし
やらざるを得なかった。
80年代に行われた日米構造協議により、
日本はアメリカに内需拡大(つまりお金を使うこと)
を強く求められ、91年から2000年までに430兆円
の公共投資を行うことが対外公約になってしまった。
中央は、中曽根内閣以降の臨調路線で民営化や
歳出抑制による『増税なき財政再建』が公約と
なっていたから、このアメリカとの約束は
地方に押し付けざるをえなかった。」

「88年の竹下内閣のもとでの『ふるさと創生』政策。
90年から92年の『地域づくり推進事業』
93年から95年の『ふるさとづくり事業』等の公共事業
が地方債の発行を財源としてなされていった。」

「バブル崩壊以降、公共事業を押し付けられて
借金漬けになった零細自治体は・・・
借金を減らす計画を強制的につくらされることになる。
住民がくらしていくうえで必要なさまざまな公的支出も
削られていく。さらにこれに住民税の増税が追い打ちを
かける。・・・」

「これまで、89年のブッシュ・シニア政権と宇野宗佑
政権ではじまった日米構造協議については、
70年代後半からの半導体、自動車、スパコンといった
製造業の輸出をめぐる貿易摩擦に対応するものと
いう理解の仕方が一般的だった。
・・・・アメリカがさまざまなかたちで日本に資本の自由化
規制緩和を求めてきたのは、80年代にアメリカの政権
の経済理論の支柱が、新自由主義(ネオリベラリズム)
経済学=市場原理主義にかかわったということが
大きいと考える・・・・」

「金融の自由化・・・非居住者による資金の調達・運用
の両面での取引拡大を図るべき・・・・これはまさき
ネオリベラリズムによって誕生したマネーの投資先に
日本もなるべきである、という意思表示。
80年代には、金融技術の発達とコンピュータの発達
によって、通貨、株式、債券、債権、国債、商品先物
あらゆるものが投資の対象になった。
実際の貿易の決済に必要な金は8兆円であるにも
かかわらず、現在1日の為替の出来高は300兆円
ともいわれる。

これらは、金で金を買う、あるいは、過小評価されて
いる国やその企業をめがけて流入してくる金という
こと。そうした『投機』のための金を、(著者は)
労働の対価や商品を買うための『おカネ』と区別
する意味で『マネー』と呼ぶ。そのマネーが
自由に動ける市場をアメリカは欲した。」

「このようにして、規制が緩和され、公共事業によって
内需が拡大され、非居住者による投資が可能に
なった日本に世界中の金が集まってくるように
なった。バブルの発生。土地と株価が急上昇した。
こうしたバブルのさなかに日本は年50兆円の公共
事業計画を対外公約として約束してしまった。」

「90年1月、東証の株価は暴落。
バブルの崩壊は日本社会を滅茶苦茶にした。」

「日本のバブル崩壊は『マネー』が逃げて行った結果
にすぎない。」

「それからの16年は、再びマネーが戻ってくるための
環境整備の16年。より自由にマネーが動き回れるように
『規制』をどんどんはずしていった過程だった。
その間に進んだ外資の進出、ハゲタカファンドの進出、
日本企業の外資化は、『マネー』が再び帰ってきた
ことを意味する。」

dragonfruit123 at 10:01│Comments(0)TrackBack(0) 読書録 

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