2011年11月27日
読書録 「悪夢のサイクル」内橋 克人を読む3
読書後に、すぐに内容を忘れてしまう自分の
ための備忘録です。
「新自由主義政策が必然的に呼び込む
こうした景気循環を・・・ネオリベラリズムサイクル」と
命名しました(佐野誠教授)。
これは、市場が小さく国内資本の蓄積が十分でない
発展途上国が新自由主義路線を取った場合に
必ず陥る経済浮沈のサイクルですが、
ケインズが市場の構造的欠陥として
指摘したように、
好景気→消費過剰→インフレ→生産増強→供給過剰→デフレ→不況
一般的な意味での景気循環とはことなるもの。」
「つまり、自由化によって海外からの資金が集まり
バブルが起きる。このバブル経済がくせもので
企業だけでなく自治体も国も借金をしまくる。
経済が膨張しているから借金をしても、すぐに
返せると考え、財政規律がゆるむ。そして
バブルがはじける。
この時資本は一斉に海外に逃避し、国、自治体
銀行、企業は一挙に不良債権をかかえる。
そしてリストラをはじめる。このときに
様々な規制緩和などの『改革』がまたなされる。
そして国や自治体、その国の企業の価値が
安く評価されるときをねらって一気に
海外資金が流れ込む。この繰り返しが
果てもなく続くということ。
その過程で何が起こるのか。アルゼンチンで起こったのは
アルゼンチンの企業や国営事業が外資によって
支配されていった。そのなかで、貧富の差は拡大し
国土は疲弊し、人心は荒廃する。」
「1986年から始まったバブルと、国、自治体、企業を
あげての借金競争、そしてバブルの破たんによる
自治体、企業、金融機関の不良債権の山、
それを整理すると称しての『規制緩和』『自由化』
という『改革』。そのすえの弱小企業の淘汰、雇用の
喪失、貧富の差の拡大、外資の進出・・・
日本はネオリベラリズム・サイクルがちょうど
一巡しようとしているところ。」
「ライブドア事件の直後、2005年くらいから起こり始めた
東京の地価と株価の上昇は、いったんこわされた日本が
割安だとして、再び資金が流入してきたことを意味する。」