読書録 「発達障害のいま」 杉山 登志郎を読む2読書録 「発達障害のいま」杉山 登志郎を読む4

2011年09月18日

読書録 「発達障害のいま」杉山登志郎を読む3

印象に残ったところを抜粋。

「発達凸凹」

「世界的な偉業をなしとげた人の中にも
高頻度に発達凸凹が見出される。
ただし大多数の発達凸凹は天才ではない。

独創的で天才的な仕事を成し遂げた一方、
極端に非常識なところや人間としての
円熟とは正反対の子どもっぽさ、・・・
社会的な欠落を少なからず抱えていた。
・・・高い能力の保持者である一方で
社会的な谷間も持っているという発達の
凸凹を抱えていた。」

「認知様式
  ・視覚映像優位型
  ・聴覚言語優位型

  一般的な知的に高い人間の場合、
 言葉による概念や認知、さらに言葉を
 用いた思考が得意。学校もそのような
 子どもへの教育が行われている。

 映像や視覚イメージ操作による認知の
 ほうが得意なグループは、しばしば
 言語認知、文字の認知、言語による
 概念形成、言語による思考などが著しく
 苦手で時として欠如を抱える。

 一方で、聴覚言語優位の人々の中にも
 発達凸凹の人がいれ、その場合には
 独特の視覚映像認知の欠落を抱える
 ことがある。その代表は人の顔の識別
 が苦手という「相貌失認」。

 視覚映像優位型への配慮。
 映像思考する子どもたちは、言語能力が
 弱いにもかかわらず、視覚的、空間認知に
 関する能力は強い面がある。聴覚刺激に
 弱いからといって、聴覚的な刺激ばかり
 与えるとストレスをふやすことになる。
 その一方で、映像思考ゆえ一挙に高度で
 本質的な理解を得ることが可能なことも
 少なくない。
 言語的な識別の力が弱く、記憶も苦手で
 人によっては言語概念をいったん視覚映像に
 翻訳して初めて理解できる人もいる。

 ・・・翻訳のタイムラグが生じ、会話が早いと
 ついていけなくなることも多い。」

認知の様式を考慮してどのように
教育をすべきか

「・継次処理型指導の方略(聴覚言語)
  小さな指導ステップを経て指導のねらいに到達
  部分から全体へ
  順序性重視:番号など用いて、課題解決順序を重視
  言語による手がかりを用いて問題解決
  時間的手がかり、分析的手法による課題解決

 ・同時処理型指導の方略(視覚映像)
  本質部分を含む全体を最初に提示
  全体から部分へ
  関連性重視:提示された複数の刺激間の関連性に注目させる
  映像や体の動きによる手がかりを用いて問題解決
  映像的で総合的な手がかりを用いた問題解決」

「聴覚言語優位型の発達凸凹にみられる相貌失認

 色や明度の認知に苦手さがあることが多い。
 奥行きの認知が難しい。三次元映像の認知の
 困難さが相貌失認の原因になる。
 一方、しばしば二次元の映像、たとえば写真に
 よる顔の識別などには問題がないことが多い。」

 「相貌失認を直す方法。薄い色と偏光フィルターが
  組み合わさったカラーグラスを用いる。個々の
  人によって試行調整が必要。」

 「この色つきレンズは視覚情報の絶対量を下げている・・・」
 

  「視覚映像優位型認知と聴覚言語優位型認知は文字の
  識別の違い。

 視覚映像優位・・・色の認知が良好。動く映像や立体的な知覚
            の記憶がよい。
            線の認知に困難。色の認知は優れているので
            文字を立体的にして色をつけることがお勧め。
            しばしば白地に黒という印刷は非常に読みづらい
            らしい。テンプル・グランディンは薄いブルー、
            薄い黄色とか少しでも色がついていると俄然
            みやすくなると強調していた。

 聴覚言語優位・・・線の認知が得意。逆に色や明度の認知は
            欠陥がある。二次的な静止した知覚に優れる。
            文字の識別は概ねよい。斜め線の判別が苦手な
            場合がある。」

              

            

 



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