2012年07月
2012年07月16日
読書録 「たくさんのふしぎ おもしろい楽器」
山本紀夫さんの著書。


ペルーのわれ目太鼓。
太い気に大きな穴がふたつ。
穴と穴は細いわれ目でつなが
っている。

中南米にはユニークな楽器がたくさんある。
アルパ(パラグアイ)、ビリンバウ(ブラジル)、
マラカス(コロンビア)、スチールパン(トリニダード・トバコ)
ミーナ(ベネズエラ)・・・
「ふく楽器」

アンデスのホルン「カーニャ」
(ボリビア タリハ。サンロケの祭)

これは、バホンというラッパの仲間
(ボリビア ベニ県 サンイグナシオ村)

クラリンと呼ばれるペルーの長い笛。
ラッパの部分はひょうたんでできている
(ペルー カハマルカ地方)

2列に管を並べた太く長い笛モセーニョ。
(ボリビア ティティカカ湖畔のアチャカチ村)

縦笛、横笛、角笛、オカリナ、トランペット
さまざまなふく楽器がある。
材料にも木、竹、土のものから
牛のしっぽ、骨、金属までいろいろ。
「たたく」

竹の筒で地面をはげしく打って
リズムをとる楽器キティブラス。
長さや太さがいろいろあり
それぞれで音が違う。
(ベネズエラ バルロベント地方)

カリブ海にあるトリニダード・トバゴは
石油がたくさんとれる国。
石油をいれるドラム缶がたくさんあった
ので、それを加工してスチールパンと
いう楽器にした。

ブラジルのビリンバウ。弦が金属なので
棒でたたくとビンビンと音がする。
木の弓にとりつけたヒョウタンをおなか
にあてて音を大きくする。
土を焼いて作ったつぼに穴をあけ
そこを手のひらで打って音をだす楽器。
ブンブンと面白い音がする(ブラジル ベレン)。

キューバのカホン(大きな箱の意味)。
たたき方によっておどろくほどいろんな
音がだせる。
スプーンと台があればもう楽器になる。

ロバの下あごを打楽器にしたキハーダ
(ペルー)。
亀の甲羅の太鼓(メキシコ、グアテマラ
ホンジュラス)
「ふる」

ユニークなマラカス。

メキシコのもの。デザインが面白い。

手だけでなく足につけてふって音を出す
楽器もある。
「ひっかく、はじく、こする」
マラカス、グイロ、バイオリン、マンドリン
中南米独特のユニークなものが紹介されている。
読書録 「たくさんのふしぎ まぼろしの大陸 スンダランド」
副題「オランウータンを育てた森」
ボルネオ島の熱帯雨林とそこに住む
生き物たち。

ラフレシア、食虫植物のウツボカズラ。
ラフレシアには葉も茎もない。
つぼみはキャベツくらいの大きさ。
ラフレシアが花だけで葉も茎もないのには
理由があるそう。テトラスティグマという
ブドウ科植物の地下茎に寄生して
栄養をもらっている。
葉っぱで栄養を作る必要がない!
ウツボカズラはラッパのようなになった
部分に水をためて虫をおぼれさせる。
アルソミトラの種子が地面におちる様子。
フタバガキ。ヘリコプターの羽のように空中で
くるくる回転しておちてくる種。
ボルネオの森には世界最大の果実ジャックフルーツ
(1個で20キロ)や1つ5キロのドリアンなども
ある。高い木に実るうえ、とてもかたいトゲで
おおわれているので、落ちてきた実にあたると
死ぬかもしれないそう。
ボルネオの森には高さや大きさ以外にも
まだ世界一がある。ウリン(ボルネオ鉄木)。
世界で一番かたい、水に沈むほど重い木。
「ネッタイタマヤスデ」
巨大なダンゴムシ。ボルネオの森の昆虫は
大きい。
枯葉に似たヒシムネカレハや、ランの花にそっくりな
花カマキリ、緑の葉っぱにそっくりのコノハギス
などがいる。
テングビワハゴロモ。色も尖った鼻もユニーク。
ボルネオの森では動物たちの行動も
独特。マレーヒヨケザル。サルとつくけれど
サルの仲間ではない、東南アジアにだけ
住む霊長類に近い特別な動物。
ムササビのように膜を広げて飛ぶ。
他、トカゲやヘビ、カエルも飛ぶものがいる。
ボルネオでもう一つの世界一はオランウータン。
世界一体の大きい樹上生活者。
木の上で暮らすサルの仲間はどれも20キロ
グラム以下。ところがオランウータンはメスが
40キロ、オスは90キロ。人間の大人より
大きくなる。
何故そんなに重い体で樹上生活あできるのか?
著者の島さんは、
ボルネオ北部のダナンバレー自然保護区で
調査。
オランウータンやボルネオ島の秘密やについて
語られている。
本当に面白い!
2012年07月08日
読書録 「スウェーデン・パラドックス」を読む11
「子どものいる家庭に一定の経済水準を保障する児童手当
民主党政権が導入した子ども手当が日本では大きな議論に
なったが、この制度はスウェーデンなどで導入されている
児童手当にならったものだといわれている。
スウェーデンでは、子どもを持つ家庭の経済的負担を軽減
するために所得制限なく、国内に居住する16歳未満の子ども
を持つ親は子ども1人当たり月額1050クローナ(1万2600円)
の児童手当を受けることができる。義務教育を留年で修了できない
ケースでは、最長18歳まで児童手当が延長される。
この制度の目的は、家庭の経済状況が子育てに与える影響を
小さくし、どの子にも一定の経済水準を保障すること。
この児童手当はスウェーデンにおいてあくまで補完的な役割を
果たしているにすぎない。女性の社会進出や子育て支援、
そして少子化政策のためには育児休業手当や自治体による
保育サービスの整備、子ども関連費用の原則無料といった
他の制度がむしろ中心的な役割をしている。
先進国トップクラスの家族関係支出
スウェーデンの家族関係支出は、対GDP比率で見て
3.2%と主要先進国の中でもトップクラスの水準。
日本(対GDP比0.81%)と比べると4倍。
児童手当などの家族手当や出産・育児休業手当といった
現金給付は合計で1.51%と大きいが、保育サービス、
就学前教育、その他の現物給付はトータルで1.69%と
現金給付を上回る規模の手厚い社会サービスが実施
されている。
日本では、保育施設の増設など現物給付サービスを拡大
すべきとの意見がある中で、子ども手当の創設など
現金給付を増やす動きとなっている。」
読書録 「スウェーデン・パラドックス」を読む10
「男性にも負担を分担させる育児休業保険制度
スウェーデンの育児休業保険はもともと『母親保険』と
称されていたが、1974年に『両親保険』と名前を
改め、世界で初めて父親にも適応可能にした。
しかしながらそれだけでは、男性の育児休業取得率
の上昇にはつながらなかった。育児休業手当の支払い
日数のうち、男性に対して支払われたに数の割合は
80年代の時点でわずか5%、それから15年経った
95年でも10%と低水準だった。
育児休業手当の受給権は正式には父親と母親に半分
ずつ与えられてるが夫婦間で譲渡が可能であるため、
その大部分を母親が活用していた。
そのため受給権の一部の譲渡を禁止しようとしう議論が
盛り上がっていった。その結果95年からは1か月を
また2002年からは2か月を譲渡できない期間と
することになった。つまり、父親でなければ活用できなく
なった。これが『パパ クォータ制』と呼ばれる制度。
また08年からは、『平等ボーナス制度』がさらに導入され
育児休業の取得日数を夫婦間で等しくすればするほど
税額控除が受けられる仕組みになった。夫婦間で
育児休業を半分ずつ取得したときに控除額が最大の1万3500クローナ
(16万2000円)となる。
このような努力の結果、スウェーデンの民間企業の育児休業
取得率は男性79.2%、女性84.0%と、日本の男性0.56%
女性70.6%に比べて格段に高くなっている。」
読書録 「スウェーデン・パラドックス」を読む9
「女性の就労・子育てを支える強固なシステム
スウェーデンにおいて共働きの子持ち世帯は
非常に一般的な家族形態。
出産後に1年から1年半ほどの育児休業を
取った後、再び同じ職場に復帰し、その後は
子育てと勤労生活を両立させる。
それが可能になっているのは、育児休業を取得する
権利が保障されたうえで、休暇中の経済的保障を
国庫から賄う制度があること、そしてその後の育児を
支援するための保育サービスが整備されているため。
近年では男性にも育児を分担させ、夫婦ともに
家庭生活と勤務生活を両立させるシステムが
確立しつつある。
日本のように『子ども手当』だけを子育て支援の柱と
するのではなく、複数の政策が有機的に結びつく
形で少子化対策と子育て支援が行われている。
育児休業中も、職場には籍をおいたままであるため、
育児休業を終えた後は出産前と同じ職場へ復帰する
ことになる。
重要な点は、育児休業手当の支払いが雇い主の直接
的な負担によるのではなく、社会保険のひとつである
育児休業保険(両親保険)から賄われていること。
雇い主の直接的な負担であれば、20代や30代など
出産する可能性の高い女性を雇うことの経済的リスクが
高くなり、雇用に際して差別が生まれるかもしれない。」