2011年10月

2011年10月23日

読書録「なだいなだ 老人党宣言」を読む2

なだいなださんの
本を読む。

印象に残ったところを抜粋。

株について
「君は株をもっていますか。
政治家たちは持っているような
顔をしています。自分が株を持ってる
人間たちが、株価対策を主張するのは
おかしいと思いませんか。
自己への利益誘導、それを
政治家がやる。」

「一部の株をもっている人間のために、国が
株価対策をするのは、おかしい・・・
そもそも銀行に株を買わせるようにした
政治家はだれか、名前をしりたい・・・。」

ドキュメント 老人党

「消費税導入の時、政府は『これからは高齢化社会になる。
高齢者が多くなるから、そのための財政対策として絶対必要だ。』
と説明した。3%だった消費税が自社されん率政権で5%になり、
また7%や10%に増税しようとしている。
消費税を老人のためにつかったことがあるのかと問いたい。
大部分は銀行なんかの救済につかっているんじゃないか。」
(小泉政権がりそな銀行九歳に2兆円規模の税金投入を
決めたことに関連して)

「政治家は、銀行がつぶれると連鎖倒産で世の中が
大混乱に陥るというが、それは幻想。不健全な銀行は
つぶれて当然だ。大体銀行を守ろうとするのは、あくまで
も大口の借金をしている連中を間接的に救うことが目的で
あり、むしろ中小企業はつぶれてもいいと思っている。・・・」

「政治家には、二世、三世議員があふれている。
言葉が軽い。『ブッシュ(米前大統領)並みだね。つまり
歴史の学力がない。小泉さんは戦没者と戦死者の区別も
つかない。靖国神社に参拝して 「戦没者の霊を慰めてなぜ
悪いのか」と発言したが、靖国人者に原爆や東京空襲の死者が
まつられているか。そんなことも知らないなんて、最近の
子どもの学力低下を嘆く前に、学力低下はずっと昔から
だったと指摘すべきだ。』



dragonfruit123 at 10:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

読書録 「なだいなだ 老人党宣言」を読む1

なだいなださんの本。

面白い。小泉政権のときに書かれた本。

印象に残ったところを抜粋。

「老人党はバーチャル政党」

「それぞれの地域で情報を交換して
老人を馬鹿にしない政治家に投票。
信用できる候補者が見つからないときは、
・・・それでも棄権はしない。とりあえず
与党には入れない。野党の中で
最も有力と思われるものに投票しましょう。」

「民主主義のシステムは、野党の役割に
あります。野党はイデオロギーよりも
今の国民(納税者)の不満を代弁する
役割を大切にすべきですが、それを怠って
きました。与党が政府を作って、納税者の
意見を裏切るようなことをするなら、
それに不満をもつ老人党は、とりあえず野党に
投票します。ところがその野党が
投票者の不満に耳を傾けず、イデオロギーを
重視するようでは、いまの議会制度は活きません。」

「ただ不満に応えるだけの政党は、人気取り政党です。
ポピュリズムとよばれることがありますが、
構造改革を売り物に登場した人などその代表。」

バーチャル政党での書き込み、政治論議について
かきとめられている。

なださんはアルコール依存医療に関わってきた。

「ブッシュ大統領は、アルコール依存症で、40歳で
ジャックダニエルと決別したということ。この病気は
ただアルコールをやめればいい、という問題ではない。

そこが出発点で、自己中心的な世界観から
抜け出し、家族の中の自分、世界の中の自分という
視点で自分が見られるように成長していく
ことが重要。アルコールはやめているが、
こころは前のアルコール依存のまま、アルコールを
他の何かに乗り換えただけということもある。

ブッシュの場合は、聖書主義の新興宗教に
乗り換えた。そこから悪の枢軸への戦争という
考えが生まれた。かくしてアルコール依存と言う
個人の問題は、政治問題ともなりえる。
小泉首相(当時)はアルコール依存症ではない。でも
ぼく(なださん)に言わせれば、アメリカ依存症という
こころの病です。」


「小泉首相たちのこころは透けてみえます。
北朝鮮の問題を力で解決するために
アメリカの暴力に頼らなければならないときが
くる。だから今はアメリカの暴力を支持しておこう。」

「こころの底に、問題を暴力を使って解決しよう
という考えがある。それが透けて見える。」

「自衛隊がクラスター爆弾を買い込んだという
ニュースは、その後進展がない。
クラスター爆弾をどこに落とすつもりなの
だろう。・・・非常に高価な爆弾だ。
納税者としてはこの税金の無駄遣いを、
地方選挙でも、税金の無駄遣いの例として
あげて戦うべきではなかったか。
・・・この間、地雷を破棄した、と自画自賛
しておきながら、クラスター爆弾を
ひそかに買っていたとは。」

「レッシングというドイツの作家をしっていますか。
日本ではどれくらい知られているでしょう。
かれの書いた『賢者ナータン』・・・
・・・
かれはこの芝居の中で、キリスト教、ユダヤ教、イスラム
の3つの宗教の中で、真実の宗教はどれ?
という問題に、ユダヤの賢者ナータンの3つの指輪の
たとえ話で答えるのです。1つだけ、神様から与えられた
指輪。真実の指輪を代々伝えていた家で、あるとき3人の
子どもに親が見分けのつかないほど似たコピーを作って
それをどれが真実のものか言わずに渡すのです。
当然、自分の指輪が、真実のものだと主張しあい、
裁判になる。裁判官はどれが真実か自分にも
分からないが、そんなことで争っているより、
実践で、それぞれが真実の指輪保持者に
ふさわしい行動をすればよいではないか、
という判決をする。

戦争やイデオロギーの争いに対して、
すでにこのように考えられていたのです。」




dragonfruit123 at 10:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

2011年10月22日

読書録「取り返しのつかないものを 取り返すために」を読む2

内橋 克人さんの講演から
印象に残ったところを抜粋。

原発安全神話は、どのように築かれたのか。

「三つの柱があります。・・・」

メディア、ジャーナリズムに対する糾弾と抗議のブラフ(脅迫)
学校教育
著名文化人、有名人などを動員した広報活動

「経済、政治、学問を総動員して『原発神話』へと
人々を誘導してきた。」

「私たちは、敏感に感性を研ぎ澄ませ、
これからの時代に備え、今回の巨大複合災害
に子細に心を寄せながら、同時に
神話を形作ってきたものへの糾弾を避けては
ならないと思います。」

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について

日米安保条約について
「これを軍事協定と思い込んでいる人の多いのに
私は驚きます。・・・日米安保のもうひとつの真実は
それが、経済協定である、ということです。
1960年の安保改定、その第二条は『日米間の経済協力
の推進』です。簡単に言えば、日本にたいする「市場
開放」の要求をつきつけられたところにこそ、
真意がある。翌1961年、はやくも日本は、農産物について
90パーセント以上の市場自由化をつきつけられた。
大豆、小麦、飼料用穀物、バナナ、レモン・・・
主な畑作農作物が自由化の対象とされ、
こうして日本農業の大黒柱が抜かれていったわけです。
ここに日本農業の衰退が始まり、穀物自給率ひとつ、
先進国では考えられないほどの「他国依存」
「アメリカ依存」の食糧体制ができあがった。

すべては一本につながっていることです。全体を透視して
それぞれのつながり、背後の文脈をしっかりと見抜かなければ
ならない・・・「原発神話」がつくられてきた過程を緻密に
たどり直し、何者がどのようにして神話をつくりあげたか・・・
その手法、やり方を明らかにしていかなければならない。」



dragonfruit123 at 09:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

2011年10月16日

読書録「取り返しのつかないものを、取り返すために」を読む1

岩波ブックレット No.814

副題 大震災と井上ひさし
大江 健三郎、 内橋 克人、なだい なだ、小森 陽一 著

2011年 4月9日におこなわれた「鎌倉・九条の会」主催による
「憲法のつどい 2011 鎌倉」での講演を加筆し収録したもの。

よびかけ人の一人、井上ひさしさんがなくなってちょうど1年に
あたる日。


印象に残った部分を抜粋。
「『がんばれ日本』と言います。あるいは『日本の力を信じよう』と叫びます。
・・・あたかも大義ででもあるかのごとく振りかざす空々しい言葉、・・・
当事者ではない者の放つ『ひとごと』ゆえの言葉です。」

「阪神・淡路大震災でも、外から『がんばれ!』の言葉が無限に
降ってきました。けれども当事者は、それによってどのような
心境になったでしょうか。」

「『もうがんばれはけっこうだ。・・・国として、政治として公的な
支援は、どうなっているのか。』・・・そして、そのような『がんばれ』
の大合唱のあいだに、時の村山富市首相は国会で何といったか。
『自然災害等によって生じた被害に対して(国は)個人補償はしない、
自助努力によって回復してもらう』(1995年5月19日 参議院予算委員会)」

「『がんばれ日本』『日本の力を信じよう』・・・そのように氾濫する言葉の
裏側で、いったいなにが進んでいるのか。もっともっと鋭い感性を
働かせるべきではないか、・・・」

「いま私たちが生きる国のこうしたあり方、たとえば世界にも稀な
『原発過密列島』がいつ、どのようにしてつくりあげられたのか、
それを問わなければなりません。私たち国民は、いつ、こんな『国策』
に合意を与えたでしょうか。国民的合意もないまま、私たちの生きる
この小さな地震列島を、海岸沿いに原発で囲い込む。しかも国策として
・・・。この『合意なき国策』はだれが、どのようにして進めたのか?」

「被災者の『救援』に懸命になることと、このような国策を進めた政治の
責任を『糾弾』することとは、明確に峻別しなければならないと思います。
それこそが真の『救援』です。」

「救援が先行しなければなりません。けれどもそういう声の合間に、
なにがあったかと申しますと、当時の首相は『自然災害に個人補償はない』
と国会で明言なさった。・・・それで、市民・議員立法の運動-が盛り上がった
・・・。」

「・・・震災から9年もたって、ようやく「住居安定
支援制度」が制度化されました・・・対象があまりにも限られている。家を
失った人は、自分の力でもう一度家を建てるほかにない・・・二重ローンに
苦しむ人びとは今も少なくありません。震災被害の激しかった地域では、
いまなお自殺率が突出して高い。・・・16年を経てもなおも震災は終わって
いない・・・これで『日本の力、信じよう』とは!」

「多くの先進国では、人が生きていくのに必要な居住空間を保障する
ことは国の責任とされています。この制度がないばかりでなく、考え方さえ
概念さえ、私たちの国には存在していない。」

「1982年、そのころ『原発100基構想』といわれ、いつの間にか『原発
122基構想』にまで膨れあがっていた時期もありました。この狭い日本
列島に少なくとも100基もの原発基地を作る、と言っていたのです。
いま、54基です。管直人政権の決めた「エネルギー基本計画」では
さらに14基の原発を新増する、と。計68基。」

「民主国ならば、どの国においても国民、住民の「自由なる意思」と
いうものが、新設も、廃炉も決める。・・・1989年、カリフォルニア州
サクラメントのランチョ・セコという原子力発電所は、自由なる住民
投票によって廃止された。いまは、廃炉となった原子炉建屋と
地つづきの隣接地に、太陽電池のパネルを敷き詰めた格子状の
黒いパネルがひろがっている。経営を担っているのは、
自治体と地元住民の出資によって設立された『サクラメント市営電力
公社』」

「住民の意思、国民の意思によって国民的コンセンサスをもって
原子炉を廃止することができる。これに比して私たちの社会では
いったいいつの間に『原発122基構想』なるものまで、持ち上がる
国になってしまったのでしょうか?国民的な合意もないままに、
いつの間にか、『過密なる原発列島』ができあがっていました。」





dragonfruit123 at 09:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

2011年10月10日

Agouti(アグーチ)について



2000年にブラジル リオデジャネイロの近く
Angra dos ReisやParatiの辺りを
旅行していた。

夜に宿に着いた。
部屋に入り休む。

翌朝、朝食をとるため
中庭へ。

生垣の下で何か動いている。
ニワトリが放し飼いになっている
のかと思った。

次の瞬間、目が点になった。

今までみたことがない生き物が
いる。

それがAgouti(アグーチ)だった。

agouti[1]

脚がシカっぽい。でもねずみみたいな
感じ。
これが庭にたくさん居て、本当に驚いた。
モルモットは脚が短くて地面を這っている
感じだけど、この生き物は
もっと軽やかな感じだった。





dragonfruit123 at 10:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0) おもしろい