2011年05月

2011年05月30日

読書録  「動物感覚」を読んで

テンプルグランディンさんの「動物感覚」を読んで、
頭の中がとても整理された。

自閉症の子どもの行動が、
当事者から語られた言葉、しかも
とても分かりやすく説明されていて
感動した。

言葉のある人からの見方と違う見方で
語られている。

自分の固定観念的な考え方から
多少脱することができて
よかった。



dragonfruit123 at 20:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

2011年05月29日

テンプルグランディン 「動物感覚」を読む3

テンプルグランディンさんの本を読む。

印象に残ったところを抜粋。

サヴァン自閉症
「動物のサヴァンは、たった一度の飛行で複雑な飛行の
経路をおぼえたり、・・・
サヴァン自閉症の人は、カレンダーや素数を暗記したり、
記憶を頼りに遠近法を使って建物や風景をデザインできる。・・・

表面的には違って見えても、ひとつきわだって共通する点は、
丸暗記の驚くべき妙技にかかわっている才能が多いことだ。

オーストラリア国立大学精神センターの心理学者
アランシュナイダーと共著者のジョン・ミッチェルによると
サバン自閉症の人の能力は、見たり聞いたりしたものを
普通の人のようにすみやかに統合した全体、つまり
概念に組み込んで処理しないところからうまれる。」

「自閉症の人は人によって程度の差があるが、多かれ
少なかれ知覚のこまかい部分にとらわれる。」

「シュナイダーとミッチェルは自閉症の人が物の断片を
みるのは、生の情報を下位レベルでとらえる特権が
あるからだ、と述べている。ふつうの人は、ばらばらに
知覚した物の全体像を脳が組み立て、それから
ようやく自分が見ているものを認識する。サヴァン自閉症の
人たちは、ばらばらなまま物を意識している。」

「ふつうの人は犬の絵をかくのではなく、犬の概念をかき、
自閉症の人は犬を描く。」

「自閉症の子どもは、自分の狭い世界に閉じこもっていると
よくいわれるが、それは逆だ。自分の頭の中で生きているのは
ふつうの人のほうだ。」

ほか、人間と犬の進化について、動物の行動と訓練の
仕方の問題点に関する記述などある。

面白い視点から、動物感覚と人間について、特に自閉症に
ついて語られている本だった。

dragonfruit123 at 17:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

読書録 「動物感覚」 テンプル グランディン を読む2

テンプルグランディンさんの著書を読む。

印象に残ったところを、書き記す。

怖いより痛いほうがまし

「動物が苦しまないように、人道的に食肉処理システムの
開発に多大な努力がなされてきた。動物を苦しませない
のは、比較的やさしい。すみやかに死なせればいいだけなら
現代では、ほぼ全ての食肉処理場が人道的だと
考えられる。」
「けれども、痛みをとりのぞくだけでは、じゅうぶんではない。
動物の身体面だけでなく、情動面も考慮しなければならない。」

「動物の情動にいちばんしてはいけないのは、ひとつだけ。
恐怖を感じさせることだ。恐怖は動物にとってなんとしても
避けたいもので、痛みよりもよくないと思う。」

「人間は、恐怖を抑制する力が動物よりも強い。・・・
話はそれほど単純ではないが、動物は人間よりも痛みを弱く
感じ、恐怖を強く感じると私は考える。
一般に自閉症の人は、そうでない人と比べると、痛みを弱く、
恐怖を強く感じ、前頭葉が脳のほかの部分を抑制する力が弱い。」

「自閉症の人と動物に共通することだ。自閉症の人の恐怖システムは
普通の人とはちがう形で「誘発」される。恐怖は荒れ狂う。」

動物の恐怖はちがう

「忘れてはならない重要なことは、
動物が環境の中の小さなものにおびえることだ。
動物の恐怖を説明することに「過剰特異性」という
ことばをよく使う。自閉症の研究から生まれた用語で
自閉症の人は極端な過剰特異性だ。」

「二本足で立っている人を初めてみた牛は恐怖に
襲われる。それまで馬にのった人しかみたことがなかったから。」

「動物は「般化」しない。人は「過般化」する。」


人間にはやさしくても動物には難しい学習

「大きな前頭葉をもっている利点のひとつは、作業記憶が
たくさんあることだ。作業記憶は一般的知能の重要な
要素になっているため、動物がもっている作業記憶が
一般的にすくなければ、認識能力に違いが生じる。」

「作業記憶の多い人や動物とそうでない場合、
私をコンピュータにたとえるなら、ハードディスクの
記憶容量は膨大で、超小型処理装置の能力は極めて
低い。その結果、変更をしながら話をするといった、同時に
いくつもの仕事をこなすマルチタスキングで苦労する。」

動物は専門家

「動物はおそらく「認識の専門家」だ。・・・
鳥や哺乳動物で、えさを隠した場所をおぼえておかなければ
ならない種は、記憶の専門家で、視覚記憶をつかさどる脳の
領域が特別に大きい。・・・
普通の人は、動物や自閉症の人と比べると万能選手だ。たいてい
得意なものもあれば、苦手なものもあるが、一つの科目に
本当に秀でている人は、得てして多くの科目でも秀でている。
・・・大量の情報を統合できる能力が「学校の優等生」になる
秘訣だという行動調査と一致する。」

自分で作った話にとらわれる

「ふつうの人は一般的知能が高いために、賢くなりすぎて
損をしている場合がまちがいなくある。
人間についてひとつ分かっているのは、意識的な言語を
つかさどる左脳が、状況を説明する話をつねに作り上げている
ことだ。普通の人の左脳の中には「通訳」がいて、なにかをしている
時や思い出しているときはいつも、それについてのでたらめで
こまかな情報をかたっぱしから取り入れて、すべてをすじの通るひとつ
の話にまとめあげる。つじつまのあわない情報があるときには、
たいていの場合削除するかかきかえる。左脳がつくる話の中には
いちじるしく現実ばなれしていて、創作と思えるものもある。」

動物の幸せ まちがった世話

「この分野で私がしてきた仕事は、「危険分析・重要管理点方式」
(HACCP)の分析の背後にある考え方を取り入れて
動物福祉の分野に応用することだった。
 ・・・
農場で動物を監査するときにひとつだけ知りたいのは、
動物の足が正常かどうかだ。牛の歩行能力に
影響を及ぼすものは山ほどある。劣悪な遺伝子、粗末な床、
飼料に含まれる穀類の過剰、足の病気、蹄の手入れ不足、
動物のてあらい扱いなどなど。これらを全て評価しようとする
監査員がいる。水ももらさぬ完璧な監査だと考えているからだ。」

「言葉にもとづいて考える人はたいてい、こんな単純な監査が
本当に役に立つと思えないらしい。・・・単純な方法はまちがっている
と考える。」

「監査の項目が多くなりすぎると、監査官はささいな項目に
やたらと注目して、一番問題の大きい項目を見落とすように
なる。」

「書類で行う監査には声を大にして反対したい。・・・気絶装置
の保守記録などどうでもいい。気絶装置は、きちんと保守され
ていれば、使える。知りたいのはそれだけだ。私はニワトリの
傷んだ翼を判定する。動物をみたいのだ。」

「残念ながら、言葉で抽象的に考える人には、動物福祉に
関する項目が百件もあるチェックリストのほうが5つしか
ないチェックリストよりも行き届いているように思える
ようだ。」



dragonfruit123 at 16:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

テンプル グランディン「動物感覚」を読む 1

 数週間前に、NHK教育でテンプルグランディンさんを
取り上げた番組を観る。

 それから彼女の著書を読む。
 
 印象に残った部分を抜粋した。

 「動物感覚」

「動物の目で見る」 視覚環境

「私が目で見て考える人間だという時には、・・・
実際に映像を思い浮かべて考えることを指している。
私の思考には言葉はなく、映像だけがある。」

「経済学や代数が理解できない。」

「手がけている機械のことを考えるとしたら、
判断と決定はすべて映像の形で生じる。
設計がすんなりとつながっていくイメージや
問題や行き詰まりのイメージ・・・」

「言葉が登場するのは、私が考え抜いた後だ。・・・
最後の決断は言葉であらわれるが、そこにいたるまでの
過程に言葉はない。裁判におきかえるなら、審議はすべて
映像でおこなわれ、最終評決だけが言葉でくだされる。」

「人間に見えるものと見えないもの」

「ふつうの人は本当におおくのものをみていない」

「動物や自閉症の人がこだわるように、目にみえる
ものにこだわっていなかったのだ」

「ふつうの人の知覚系統が、見慣れているものを
みるようにつくられているからだ」

「動物はこんなふうに世界を知覚する」

 「ふつうの人が大脳に頼りすぎるのは困ったことだ。
私はこれを思考が抽象化されているという。」

「政府や精肉業界の人たちを相手に仕事をするときには、
つねに『思考の抽象化』と闘うはめになる。」

「政府の規制機関に携わる人たちがそろいもそろって
大学を出ていても、ときには精肉工場の中に
足をふみいれたことすらなく、ましてや工場で
働いた経験などないからだ。」

「業界で実際に働いた経験のない動物福祉規制担当官を
見ていて、ひとつ気づいたのは、彼らはつねに、どんな
小さな違反も見逃さない寛容度ゼロの取り組みをすると
いうことだ」

「精肉業界のことを何も知らなければ、りっぱな考えのように
思える。いかなる環境でも確実に動物が一頭たりとも
ぜったいにけがをしないようにするのだ。」

「ところが、実際には、けっしてそんなふうにことは運ばない。」


人間はこんなふうにみる

「状況を実際のあるがままの姿で見ずに、頭の中で抽象化し、
一般化した概念をみている。」

動物はなにを見るのか

「動物あるいは、自閉症の人が、世界の概念ではなく、
あるがままの世界をみているということは、細部を見ている
ことを意味する。動物が世界を認識する方法について
考える上でこのことはどうしてもしておくべき重要なことだ。」


 つづく・・・








dragonfruit123 at 09:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 読書録 

2011年05月11日

2011年 春 中国東北部の旅 5 長春から仁川へ

5月4日

長春から12:00に韓国 仁川へ。
長春へは、シャトルバスもあるが、ガイドブックに人が集まらないと
出発しないこともある、とかいてある。

タクシーで空港へ向かう。

 中国語が話せないので
ホテルのレセプションの人に
タクシーをつかまえてくれるように頼む。

「本当は私の仕事ではない」といってくるけど
お願いしてタクシーをとめてもらう。

他に客が乗っていて120元といわれるけど、
ガイドブックには80元とあるので、
まけろと粘る。
100になった。

もう一人乗っているので、空港に時間通りに着くか心配だった。

高速道路の手前で、別のタクシーの人が声をかけてきて
私は、そちらのタクシーにのることになった。
「?」と思ったが、空港まで到着した。
なんだったんだろう。

不思議なことが多い。
長春の空港の出発ロビーで
アシアナ航空のカウンターを探すが
みつからない。

入って左すみに国際線乗り場があって、そこから荷物検査をしてから
カウンターへ。
日本的な感覚だと、反対じゃないかな・・・・。

飛行機に乗って一路仁川へ。
韓国に到着すると、日本と同じくらいの
サービス、物も繊細でうれしくなった。




dragonfruit123 at 19:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) China